「せっかくいただいた物だから、捨てられない」。そう思って、使わないまま何年も置いてある物はありませんか。
お祝いでいただいた食器、旅行のお土産、親や友人から譲られた品。扉を開けるたびに目に入るのに、手が出せないまま時間が過ぎていきます。
もらい物が捨てられないのは、あなたが物を大事にしているからではなく、人の気持ちを大事にしているからです。だから手放し方も変わります。私がお伝えしているのは、「気持ちをもらって、物は手放す」という考え方です。
私は給食調理の現場で38年間、限られた広さと時間の中で、何をどこに置くかを考えながら働いてきました。その経験から言えるのは、置き場所を占めている物のほとんどは「判断がまだ終わっていない物」だということです。
この記事では、いただき物を手放すときの気持ちの整え方と、迷ったときの分け方、そしてこれから困らないための伝え方までをお伝えします。
「もらい物が捨てられない」のは、やさしさの裏返しです
いただいた物を手放せないとき、多くの方が「私は物を捨てられない性格だから」と自分を責めます。
けれども実際には、物そのものではなく、贈ってくれた人の気持ちを手放したくないと感じています。物には、贈ってくれた人の顔や、そのときの場面が一緒に乗っています。
私は、物には感情が乗ると考えています。うれしい気持ちが乗っている物もあれば、モヤッとした気持ちが乗っている物もあります。

手放せない物が多い方は、やさしい方です。
物を通して人を大事にしているので、判断が難しくなります。
たとえば、片付けのお手伝いに伺ったお宅で、お姑さんからいただいた重箱が15年間しまわれたままになっていました。一度も使っていないのに、いただいた物なので手が出せない、とおっしゃいました。
ご主人に「この茶碗蒸はおいしくなかった」と言われて、それきり使わなくなった器が出てきたお宅もあります。物は何も悪くないのに、見るたびに当時の言葉を思い出してしまう、とのことでした。
いただき物をそのまま置いておくと、何が起きるか
使わないいただき物を置いたままにすると、場所を取るだけでは終わりません。
見るたびに小さな引っかかりが起きて、気持ちのエネルギーを少しずつ使います。私はこれを、気持ちの待機電力と呼んでいます。
家電の待機電力と同じで、一つひとつは小さくても、家全体では毎日ずっと流れ続けています。使えるエネルギーを取り戻すには、その電源を一つずつ切っていく作業が必要です。
いただき物として残りやすい物と、残ってしまう理由を並べてみます。
| 残りやすい物 | よくある理由 | 今の暮らしで使うか |
|---|---|---|
| お祝いの食器・グラス | 高価そうで手放しにくい | 来客用として1組だけ残す |
| 旅行のお土産・置物 | 相手の気持ちを思うと処分しにくい | 飾る場所がなければ役目は終わり |
| 親から譲られた食器・寝具 | 実家の思い出とつながっている | 使う枚数だけ残す |
| 記念品・粗品のタオル | まだ使えるので捨てにくい | 使う分だけ出し、残りは手放す |
| いただいた洋服・バッグ | 好みが違っても申し訳なく感じる | 着る予定がなければ手放す |
こうして並べると、「手放せない理由」はほとんど気持ちの側にあって、物の側にはないと分かります。
物を減らす作業を「選ぶ作業」として進める考え方は、50代の「物の減らし方」は捨てるより選ぶ。未来から選ぶと迷わないでくわしくお伝えしています。
気持ちをもらって、物は手放す
いただき物の手放し方には、順番があります。物から始めるのではなく、気持ちから始めます。
1.いただいたときに、受け取りはもう終わっています
贈り物は、受け取った瞬間に役目のほとんどを果たしています。
「うれしい」「ありがとう」と感じたところまでが贈り物の中身で、物を一生持ち続けることまでは含まれていません。気持ちはもらう、物は手放すと切り分けると、判断がぐっと軽くなります。



相手が贈ってくれたのは、物ではなく気持ちです。
気持ちを受け取った時点で、お役目は果たされています。
2.使うか、飾るか、手放すかを1回だけ決める
いただき物は、判断を何度も先送りにしがちです。手に取ったら、その場で「使う」「飾る」「手放す」の3つから1つを選びます。
使うと決めた物は、しまい込まずに普段使いにします。いい物を毎日使うと、扱い方も丁寧になっていきます。
3.どうしても心が痛むときは、写真に残す
気持ちが強く残っている物は、手放す前に写真を撮っておきます。
写真があると、記憶はきちんと残ります。物の形で持ち続けなくても大丈夫だと感じられると、手が動きやすくなります。
それでも迷うときは、5つに分けます
判断に迷う物は、「捨てる・捨てない」の2つで考えると苦しくなります。私はお客様に、5つに分けることをおすすめしています。
- 使っているもの—そのまま残します
- 明らかにここではないもの—正しい場所に移します
- 明らかにもう使わないもの—手放します
- 迷うもの—保留の箱に入れます
- 宝物—使わないけれど大切なものとして残します
いただき物は、3番と5番のあいだで迷いやすい物です。迷ったら、無理に決めずに4番の保留に入れて構いません。
宝物として残す量は、みかん箱1つ分を目安にします。数を決めておくと、「これは宝物に入れるか」という基準で選べるようになります。



保留の箱は、逃げ道ではありません。
決められないことを認めるための、正しい置き場所です。
これから、いただき物で困らないために
手放すだけでは、いただき物はまた増えていきます。入ってくる側も少し整えておきます。
親や友人が物を譲ろうとしてくれたときは、その場で「気持ちをいただきます」と伝えて、物は必要な分だけにします。断ることは、相手を否定することではありません。
お子さんやお孫さんに「何が欲しい」と聞かれたら、食べ物や消耗品をお願いするのも一つの方法です。使い切れる物なら、置き場所に困りません。
家族の物については、勝手に手放さないでください。手放すのは自分の物だけにとどめると、あとから困る事態を避けられます。
いただき物の前で手が止まってしまう日が続くときは、「片付けられない症候群」かもと感じたら。自分を責めずに進める片付けもあわせて読んでみてください。
まとめ
いただき物が手放せないのは、性格の問題ではありません。物に気持ちが乗っているからです。
ポイントは次の通りです。
- 手放せないのは、人の気持ちを大事にしているから
- 気持ちはもらう、物は手放すと切り分ける
- 手に取ったら「使う・飾る・手放す」を1回で決める
- 迷う物は5つに分け、保留してよい
- 宝物はみかん箱1つ分を目安に残す
まずは引き出し1つ、棚一段から始めてみてください。いただき物を選び直した先に、これからの自分に合う暮らしが見えてきます。
片付けが暮らしや家族との関係まで変えていく流れは、50代からの片付けで人生が変わる理由。未来から選ぶ暮らしの整え方でお話ししています。
葉子の公式LINEにご登録いただいた方へ、いま3つのプレゼントをお届けしています。
特典1:「未来から選ぶ」ワークシート片付けの前に「これからどう暮らしたいか」を見つける、10分で取り組めるワークです。
特典2:片づけマスターチェックシート(25項目)いまの片付けの状態を5つの章で診断し、次に整える場所が分かります。
特典3:使いやすいものの置き場所リスト(キッチン編)毎日使うキッチンを、ラクに動ける場所に整えるための置き場所の考え方をまとめました。
\公式LINE登録で「未来から選ぶワークシート」含む3大特典無料プレゼント!/










