食器棚を開けると、いつの間にか食器が増えていませんか。
いただき物、景品、昔よく使っていた物。割れていないから、もったいなくて手放せない。そう感じている方は多いと思います。
でも、食器の減らし方は「割れたかどうか」だけで決めるものではありません。これからも気持ちよく使えるか、という視点で選ぶと、残す物がはっきりしてきます。
私は給食調理の現場で38年間、毎日たくさんの食器を扱ってきました。その経験からお伝えできる、食器を残す基準と手放し方をまとめます。
食器の減らし方は「残す基準」で考える
食器を見直すとき、「捨てる物を探す」と気持ちが重くなります。
そうではなく、「これからも使いたい物を残す」と考えてみてください。残したい物を先に選ぶと、手放す物は自然に決まっていきます。

食器は数ではありません。
毎日気持ちよく手に取れる物が、必要な数だけあれば十分です。
欠けた食器は、思い切って手放す
まず見直してほしいのが、ふちの欠けた食器です。
欠けた食器は、見た目だけの問題ではありません。釉薬(うわぐすり)が欠けた部分から洗剤や水分が染み込みやすく、衛生面でも気になります。
さらに、欠けた部分で口や指を切ってしまう危険もあります。長く使った物ほど名残惜しいですが、安全のために手放すことをおすすめします。



欠けた食器は、役目を終えた合図です。
「ありがとう」と心の中で伝えて、手放して大丈夫です。
お客様用の食器は、普段使いにする
戸棚の奥に、来客用のいい食器をしまい込んでいませんか。
何年も使われないまま眠っている食器は、持っていないのと同じです。私は、お客様用の食器こそ普段使いにすることをおすすめしています。
いい物を毎日ていねいに扱っていると、不思議と物への向き合い方が変わります。物を大切に扱う気持ちは、家族や自分自身への接し方にもつながっていきます。
「いつか使うかも」の食器との向き合い方
迷う食器は、その場で無理に決めなくて構いません。
食器を選ぶときも、物を5つに分ける考え方が役立ちます。
- 使っているもの—そのまま残す
- 明らかにここではないもの—別の場所へ移す
- 明らかにもう使わないもの—手放す
- 迷うもの—いったん保留する
- 宝物—使わないけれど大切なもの
いただき物の食器は、手放すことに罪悪感を覚えやすい物です。そんなときは、「気持ちはいただいて、物は手放す」と考えると、ぐっと楽になります。
物には、持ち主の感情が乗ります。見るたびに気が重くなる食器を手放すと、その分だけ気持ちが軽くなります。
残す食器は「使いやすい場所」に置く
残すと決めた食器は、しまい込まずに使いやすい場所に置きます。
毎日使う物は、しゃがまず背伸びせず、自然に手が届く高さが理想です。食器の置き場所をふくめて、台所全体の動きを整える考え方は、キッチン動線を整えるだけで家事がラクになる理由でくわしくお伝えしています。
どこから手をつけるか迷うときは、毎日開ける場所から始めると進みやすくなります。始める順番は、「片付けはどこから?」迷ったら最初に見るべき場所と始め方も参考にしてみてください。
来客用の食器は、何枚残せばいい?
「来客用の食器は、何枚残せばいいですか」とよく聞かれます。答えは、ご家庭の暮らし方によって変わります。
普段から来客が多いご家庭なら、よく使う枚数を残します。来客がほとんどないご家庭なら、家族の人数ぶんに数枚を足すくらいで十分なことが多いです。
大切なのは、「いつか使うかも」で枚数を決めないことです。これから本当に使う枚数を、未来から選びます。



何年も使わない食器は、戸棚の場所を借りているだけです。
使う物に場所をゆずると、出し入れがぐっとラクになります。
食器以外のキッチンの物も、同じ考え方で
食器の見直しに慣れてきたら、同じ考え方を他の物にも広げられます。
保存容器、出番のない調理器具、たまった割りばしやスプーン。これらも「これからも使うか」で選ぶと、台所全体が軽くなっていきます。
一度に全部やろうとせず、食器棚の次は引き出し1つ、と区切って進めます。
食器を選び直すと、台所仕事がラクになります
食器の数が、今の暮らしに合う量に整うと、毎日の家事が変わります。
戸棚に余裕ができて、食器が取り出しやすくなります。洗った食器をしまう手間も減り、台所に立つ時間が軽くなります。
物を減らすことそのものより、こうした毎日のラクさが、食器を選び直す本当の効果です。気持ちよく使える食器だけが並ぶ棚は、開けるたびに小さな満足を運んでくれます。
思い出のある食器は、写真に残す方法もあります
長く使った食器や、いただき物の食器は、手放すのをためらいやすい物です。そんなときは、手放す前に写真に撮っておく方法があります。
物そのものが手元になくても、写真があれば思い出は残せます。「気持ちはいただいて、物は手放す」を、写真が助けてくれます。
割れて使えない食器は、新聞紙などに包み、お住まいの地域のルールに沿って処分します。まだ使える食器は、寄付やリユースに回すと、次の誰かの食卓で生き続けます。



手放すときに「ありがとう」と心の中で伝えるだけで、罪悪感はやわらぎます。
役目を終えた物を見送ることも、ていねいな暮らしの一部です。
まとめ
食器の見直しは、割れているかどうかだけで決めるものではありません。これからも気持ちよく使えるかどうかで、残す物を選びます。
ポイントは次の通りです。
- 「捨てる物」ではなく「残したい物」を選ぶ
- 欠けた食器は、衛生と安全のために手放す
- お客様用の食器は、しまい込まず普段使いにする
- いただき物は「気持ちをいただいて、物は手放す」
- 残す食器は、使いやすい場所に置く
一度に全部を見直さなくて大丈夫です。まずは食器棚の一段だけ、これからも使いたい物を選ぶところから始めてみてください。
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