「キッチンを片付けたいけれど、どこから手をつけたらいいの?」そう迷っている方は多いと思います。台所は毎日使う場所なので、食器、調理器具、食品、洗剤、在庫が混ざりやすくなります。
特に50代を過ぎると、今まで何となくできていた家事が、少しずつ重く感じられることがあります。高い場所の物を取るのが面倒になったり、しゃがんで奥の物を探すのが負担になったり。だからこそ、キッチンは「きれいに見せる場所」ではなく、これからの暮らしをラクにする場所として整えていくことが大切です。
結論から言うと、キッチンの片付けは「よく使う場所」から始めるのがおすすめです。特に、調理中に何度も開ける引き出しや、ラップ・保存袋・お弁当用品の置き場は、少し整えるだけで毎日の家事がラクになります。
私は給食調理の現場で38年間、動線や配置を考えながら働いてきました。台所は、物を減らすだけでは使いやすくなりません。「どこにあったら、一番自然に手が伸びるか」を考えることが大切です。
この記事では、キッチンの片付けはどこから始めると進みやすいのかを、毎日の動きに合わせてお伝えします。
キッチン片付けのおすすめ順番
キッチンを片付けるときは、次の順番で見ると進めやすくなります。
- よく使う引き出し
- ラップ・保存袋・お弁当用品
- 食器棚
- シンク下・コンロ下
- 食品や洗剤の在庫
いきなり全部出してしまうと、途中で疲れてしまいます。まずは一か所だけで大丈夫です。
1.よく使う引き出しから始める
最初に見るのは、毎日開ける引き出しです。
菜箸、ピーラー、計量スプーン、カトラリーなど、よく使うものが入っている場所です。ここが整うと、料理中の小さなストレスが減ります。
引き出しを開けたら、まず次のように分けます。
- 毎日使っているもの
- ときどき使っているもの
- ここでは使っていないもの
- 何に使うかわからないもの
- 壊れているもの、欠けているもの
「使っていないけれど、まだ使えるから」と戻してしまうと、また同じ状態になりやすくなります。使っているものがすぐ見える状態を作ることが先です。

台所の一等地には、毎日使うものを置きます。
あまり使わないものが一等地にあると、毎日の動きが少しずつ重くなります。
2.ラップ・保存袋・お弁当用品は「使う流れ」で置く
ラップや保存袋は、調理が終わった後に使うことが多いものです。だから、料理の流れの中で自然に手が届く場所にあると便利です。
たとえば、
- 作った料理を保存するとき
- お弁当を詰めるとき
- 食材を小分けにするとき
- 残り物を冷蔵庫に入れるとき
この流れを考えると、ラップや保存袋は「空いているからそこに置く」のではなく、作業の最後に手が伸びる場所に置くとラクになります。
お弁当箱も同じです。お弁当を作る人が取り出しやすい場所に置くと、朝の動きが短くなります。
3.食器は「使っているもの」が言える量にする
食器棚は、片付けの中でも迷いやすい場所です。いただきもの、お客様用、昔から使っているもの、少し欠けたもの。いろいろな理由で残っている食器があります。
まずは、普段使っている食器を出してみてください。毎日使うお茶碗、皿、コップ。それが見えやすく、取り出しやすい状態になっているかを確認します。
欠けた食器は、できれば手放すことをおすすめします。欠けた部分は口を切る危険がありますし、洗剤が入り込みやすくなることもあります。
お客様用としてしまい込んでいる食器は、普段使いにしてもよいかもしれません。いい食器を毎日丁寧に使うと、自分の暮らしを丁寧に扱う感覚につながります。



食器は、数を減らすことだけが目的ではありません。
自分が気持ちよく使えるものを、取り出しやすく置くことが大切です。
4.シンク下・コンロ下は「使う場所」で分ける
シンク下やコンロ下は、物が押し込まれやすい場所です。奥に何が入っているかわからなくなることもあります。
ここでは、使う場所で分けて考えます。
シンク下に向いているもの:
- ボウル
- ザル
- 水回りで使うもの
- 掃除用品の一部
コンロ下に向いているもの:
- フライパン
- 鍋
- 油
- 火を使う調理道具
もちろん、家の形や使う人によって正解は変わります。大切なのは、「ここにあると自分がラクかどうか」です。
5.食品と洗剤は分けて置く
キッチンでは、食品と洗剤の置き場所も大切です。洗剤やクレンザーは、食品と混ざらない場所に置くと安心です。
給食調理の現場では、安全のために置き場所をとても大切にします。家庭でも、食品と洗剤が近すぎると、うっかり間違える危険があります。
洗剤は毎回調理中に使うものではありません。最後に使うことが多いので、必ずしも一番取りやすい場所でなくても大丈夫です。
キッチン片付けでやってはいけないこと
キッチン片付けで避けたいのは、「空いている場所にとりあえず入れる」ことです。
一見片付いたように見えても、使う場所から遠いと、また出しっぱなしになりやすくなります。
また、収納グッズを先に買うのも注意が必要です。何をどこに置くか決める前にグッズを買うと、グッズ自体が増えてしまうことがあります。
先に考えるのは、収納グッズではなく次の3つです。
- 何をよく使っているか
- どこで使っているか
- 誰が使っているか
そのあとで、必要なら収納用品を選びます。
キッチンは「未来の暮らし」を作る場所
キッチンは、家族の食事を作る場所です。そして、自分の時間を作る場所でもあります。
台所の動きが少しラクになるだけで、気持ちに余裕ができます。余裕ができると、家族への声かけが変わったり、自分のためのお茶の時間ができたりします。
片付けは、物をしまう作業で終わりではありません。これからどんな暮らしをしたいかを考え、その暮らしに合う置き場所を作ることです。
50代からのキッチン片付けは、若い頃のように「たくさん動いて何とかする」片付けではなく、動かなくても済むように整える片付けです。未来の自分が、無理なく、気持ちよく台所に立てること。それが、これからのキッチン片付けの基準になります。
片付けた後は「戻しやすいか」を確認する
キッチンを一度整えたら、そこで終わりではありません。翌日から使ってみて、戻しやすいかを確認します。
片付けた直後はきれいでも、戻しにくい場所だとすぐに出しっぱなしになります。それは性格の問題ではなく、置き場所が暮らしに合っていないだけかもしれません。
使ってみて不便なら、置き場所を変えて大丈夫です。片付けは一回で正解を出すものではありません。実際の暮らしに合わせて、少しずつ使いやすくしていくものです。
まとめ
キッチンの片付けで迷ったら、まずは毎日使う場所から始めてください。
おすすめの順番は次の通りです。
- よく使う引き出し
- ラップ・保存袋・お弁当用品
- 食器棚
- シンク下・コンロ下
- 食品や洗剤の在庫
ポイントは、空いている場所に入れるのではなく、使う流れに合わせて置くことです。
キッチンが整うと、毎日の家事が少しラクになります。その小さなラクさが、暮らしの余裕につながります。
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