「片付けを人に頼んでみたいけれど、散らかった家を見られるのは恥ずかしい」。そう感じて、相談の一歩が出ない方は少なくありません。
「全部捨てなさいと言われたらどうしよう」「何から始まるのか分からない」という不安もあると思います。
片付けの依頼は、いきなりお宅に上がって物を捨てていくところからは始まりません。まずはお悩みをお聞きし、お家の写真を送っていただくところから始めます。
私は給食調理の現場で38年間、限られた時間の中で物の配置や段取りを考えながら働いてきました。片付けでも、最初に決めた「どう暮らしたいか」に合わせて、一つずつ確かめながら進めています。
この記事では、片付けをご依頼いただいてから終わるまでの流れを、YouTubeのインタビュー動画でお話しした内容をもとにお伝えします。
片付けの依頼は、6つのステップで進みます
ご相談から片付けが終わるまでの流れを、表にまとめました。
| ステップ | すること | 大切にしていること |
|---|---|---|
| 1. ご相談 | どこにお悩みがあるかをお聞きします | まずはお話を聞くところから始めます |
| 2. 写真を送る | 片付けたい場所の写真を送っていただきます | お宅に上がる前に、恥ずかしさを減らします |
| 3. 暮らし方を決める | どこを片付けたいか、どう暮らしたいかをお聞きします | 「どうなりたいか」を先に決めます |
| 4. 一緒に片付ける | ご自分では難しいところを、許可をいただいてから一緒に進めます | 安心していただくことを一番にします |
| 5. キッチンから始める | 毎日使う調理道具や調味料の置き場所から整えます | 変化を感じやすい場所から始めます |
| 6. 家全体へ | ご希望の方は、ほかの部屋もご自分のペースで進めます | 無理はせず、ゆるく続けます |
一度に家全体を終わらせる必要はありません。まずはお話を聞かせていただくところから、ご自分のペースで進めていきます。
インタビュー動画でも、依頼の流れをお話ししています
この流れは、YouTubeのインタビュー動画(約34分)でもお話ししています。依頼の流れは7分28秒ごろから、キッチンの話は8分28秒ごろからです。
インタビュー動画「片付けは未来から選ぶ|50歳からのお片付け 河野葉子インタビュー」
文章で読みたい方は、このまま続きをお読みください。ここからは、それぞれのステップで私が何を大切にしているかをお伝えします。
最初に家の写真を送っていただくのは、恥ずかしさを減らすためです
ご相談をいただいたら、まずどこにお悩みがあるかをお聞きします。そのあとで、お家の写真を送っていただきます。
「まだ家に入ってもらうのは恥ずかしい」とおっしゃる方が多いためです。写真であれば、見せたい場所から見せていただけます。
写真を見ながら、次の3つを一つずつお聞きします。
- この中で、どこを片付けたいか
- その場所を、どうしたいか
- そこで、どう暮らしたいか
そのうえで、ご自分だけでは難しいところを確かめます。「一緒にやってもいいですか」と許可をいただいてから入るようにしています。

片付けで一番大切にしているのは、安心していただくことです。
許可をいただいてから、一緒に進めます。
「あなたはどう暮らしたいですか」を最初に決めます
私の片付けの中心にあるのは、「未来から選ぶ。過去から選ばない」という考え方です。なりたい自分を先に決めて、その自分なら何を選ぶかを考えながら物を選びます。
過去から選ぶと、「もったいない」「いただいた物だから」と、物を通して過去と会話することになります。未来から選ぶと、これからの自分のための選び方になり、前に進めます。
最初に「どう暮らしたいですか」とお聞きすると、多いのは「すっきり生きたい」「ゆったり暮らしたい」「幸せに暮らしたい」といった答えです。物が多い方ほど、「すっきり生きたい」とおっしゃいます。
ご主人の定年後、「毎日一緒にいるのがつらい」とおっしゃっていた80歳近いお客様もいらっしゃいました。お話を重ねるうちに、「夫と仲良く、楽しく暮らしていきたい」という答えに変わっていきました。
未来から選ぶ考え方は、50代からの片付けで人生が変わる理由。未来から選ぶ暮らしの整え方で詳しくお話ししています。
片付けは「私の言う通り」にしなくて大丈夫です
片付けを頼むと、プロのやり方に合わせなければいけないと思う方もいらっしゃいます。でも、私の言う通りに進めても、うまくいかないことがあります。
子どものころ、親に「片付けなさい」と言われて片付けたのに、怒られた経験はありませんか。親が考える「散らかっている」と、子どもが考える「散らかっていない」は、見ている基準が違います。
人によって、何を「片付いた」と感じるかは違います。私の基準で進めると、かえってストレスがたまるかもしれません。
そのため、まずはその方の価値観から始めます。一通り終わると次の段階が見えてくるので、そこからまた一緒に見直していきます。



片付けの正解は、人によって違います。
まずは、あなたの「これでいい」から始めます。
捨てるかどうかは、一つずつ確かめながら決めます
片付けを頼むと、「全部捨てられてしまうのでは」と心配される方もいらっしゃいます。私は捨てるかどうかを決めつけず、一つずつ確かめながら選んでいきます。
確かめるのは、今使っているかどうか、壊れていないかどうかです。たとえば、傷がついて色が移ったプラスチックの保存容器なら、「これに食べ物を入れて、体にいいと思いますか」とお聞きします。
服なら、襟が黄ばんでいないか、毛羽立っていないかを一緒に見ます。「毛羽立った服を着る自分でいたいか」を考えると、答えはご自分で出せます。
どうしても手放したくない物は、宝物として残します。ただし、今使う物の場所には置かず、まとめて分けておきます。
災害が起きたときにすぐ持ち出せるよう、宝物をひとまとめにしておく方法もお伝えしています。宝物の残し方は、「思い出の品が捨てられない」人へ。宝物はみかん箱1つ分残すでお話ししています。
最初の場所は、キッチンをおすすめしています
どこから始めたいかは、皆さんそれぞれご希望があります。そのなかで私がおすすめしているのは、キッチンです。
人は生きていくために、食べなければいけません。食べる場所が整うと、暮らし全体がうまく回り始めます。
キッチンは、思い出の詰まった物が比較的少ない場所です。茶碗は割れたら、お箸は先が傷んだら使えなくなるように、使えなくなる理由がはっきりしています。
調理道具は、使う頻度で置き場所を決めます
調理道具は、まず使っているかどうかを確かめます。そのうえで、毎日使う物、週に1回使う物、月に1回・年に1回使う物に分けます。
毎日使う物を取り出しやすい場所に置き、月に1回・年に1回の物はそこから外していきます。一緒に使う物は、同じ場所にまとめます。
たとえば、たこ焼きをひっくり返す道具は、お箸と一緒ではなく、たこ焼き器のそばに置きます。たこ焼き器を出したら、すぐにたこ焼きが作れるからです。
調味料は「使うときに出す」
調味料を、最初から調理台に並べている方もいらっしゃいます。でも料理の流れを考えると、調味料を使うのは、材料を切ったり混ぜたりしたあとです。
厨房では、調味料は使うときに出します。出しっぱなしにすると、換気扇を回していても油が回って、容器がベタベタになるからです。
油のかからない引き出しなどに、使う分だけを小さな入れ物に分けて置くと、すぐ出せてすぐしまえます。また、洗剤と調味料は、間違えて使う事故を防ぐために分けて置きます。



取りやすく、戻しやすい台所は、作る人のストレスを減らします。
目指すのは、ワンアクションで出し入れできる配置です。
キッチンを整える順番は、キッチンの片付けはどこから?使いやすい台所に整える順番でまとめています。
こんな方は、まずはご相談ください
家を見られるのが恥ずかしい方
最初は、お家の写真を送っていただくところから始めます。どの場所から見せるかは、ご自分で選んでいただけます。
物を捨てさせられそうで不安な方
捨てるかどうかは、一つずつ確かめながら決めていきます。手放したくない物は、宝物として残せます。
どこから手をつければいいか分からない方
迷ったら、キッチンから始めます。毎日使う場所なので、変化を感じやすいためです。
一人では片付けが続かなかった方
ご自分では難しいところを、一緒に進めます。一通り終わったら、次に整える場所を一緒に見ていきます。
片付けが終わったあとに、多くの方が話してくださること
片付けが終わると、動線がうまく回るようになり、片付けやすくなります。本当に欲しい物だけが残るので、散らかりにくくなります。
「半年前に片付けたけれど、今も整ったままです」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。片付けたあとの変化は人それぞれですが、散らかりにくくなったという声は、特によくお聞きします。
物は、思っている以上におしゃべりです。目に入るたびに、「あれを片付けなきゃ」「これもやらなきゃ」と、頭の中に小さな用事を増やしていきます。
片付けでその物が減ると、頭の中にたまっていた用事も一緒に出ていきます。すると、自分が本当にやりたいことや、今やるべきことが見えやすくなります。



物を片付けると、頭の中にたまっていた
「あれもしなきゃ」も一緒に出ていきます。
まとめ
片付けの依頼は、いきなりお宅に上がって物を捨てていくものではありません。お悩みを聞き、写真を見ながら、どう暮らしたいかを決めるところから始まります。
ポイントは次の通りです。
- 最初はお悩みをお聞きし、お家の写真を送っていただく
- 「どこを・どうしたい・どう暮らしたいか」を先に決める
- 私の基準ではなく、あなたの価値観から始める
- 捨てるかどうかは一つずつ確かめ、宝物は残す
- 最初の場所は、変化を感じやすいキッチンから
まずは、片付けたい場所を1か所、写真に撮ってみてください。写真で見ると、どこを、どうしたいかが少し見えてきます。
捨てるより選ぶという考え方は、50代の「物の減らし方」は捨てるより選ぶ。未来から選ぶと迷わないでお話ししています。片付けのご相談は、公式LINEから受け付けています。
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