クローゼットは服でいっぱいなのに、朝になると「着る服がない」と感じることはありませんか。
50代は、体型も好みも、出かける場所も変わっていく時期です。仕事の服が減り、集まりの服が増え、それでも前の服はそのまま残っています。
50代で服が捨てられないのは、判断の基準が「まだ着られるか」になっているからです。基準を「これから着るか」に変えると、手が動きはじめます。私はこれを「未来から選ぶ」とお伝えしています。
私は給食調理の現場で38年間、その日の作業に必要な物だけを手元に置く仕事をしてきました。使う場面が決まっている物は迷わずに選べて、使う場面が決まっていない物だけが場所を占めていきます。
この記事では、服が増えていく理由、これから着る服の選び方、そして衣替えの前に進めておく順番をお伝えします。
「着る服がない」のに服が多いのは、基準のせいです
服が減らないとき、多くの方が「まだ着られるから」という理由で残しています。
「まだ着られる」を基準にすると、ほとんどの服が残ります。破れてもいない、汚れてもいない服を手放す理由が見つからないからです。
50代のクローゼットに残りやすい服と、判断の目安を並べてみます。
| 残りやすい服 | 残る理由 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 仕事で着ていた服 | きちんとして見えるので手放しにくい | 今の予定で着る場面があるかどうか |
| 冠婚葬祭の服 | 急に必要になると思うと外せない | 黒い服は必要な数だけ残します |
| サイズが変わった服 | 「また入るかも」と考えてしまう | 今の体に合う服だけ残します |
| いただいた服 | 贈ってくれた人を思うと処分しにくい | 着る予定がなければ手放します |
| 部屋着に降格した服 | 部屋着なら使えると思ってしまう | 枚数を決めて、それ以上は増やしません |
| 高かった服 | 値段を思うともったいなく感じる | 今後着る場面があるかで判断します |
こうして並べると、残る理由のほとんどが過去を向いていると分かります。

「まだ着られる」は、服の状態の話です。
「これから着る」は、あなたの暮らしの話です。
基準を「これから着るか」に変えます
服を選ぶときは、服から見はじめないでください。先に、これからの自分を決めます。
1.これからどんな場所に出かけたいかを決める
「友人とお茶に行く」「孫と出かける」「集まりに顔を出す」など、これから出かけたい場面を3つほど挙げます。
その場面に着ていきたい服だけを選ぶと、残す服がはっきりします。着ていきたい服が1枚もない場面があれば、そこは買い足すところだと分かります。
2.ひと季節の予定から必要な枚数を数える
必要な枚数は、予定から数えると見えてきます。週に何回出かけるか、洗濯を何日おきにするかで決まります。
8月のうちに秋の予定を数えておくと、9月の衣替えのときに迷いません。



枚数は、多いか少ないかで決めるものではありません。
あなたの暮らし方に合っているかで決まります。
服を減らす作業を「選ぶ作業」として進める考え方は、50代の「物の減らし方」は捨てるより選ぶ。未来から選ぶと迷わないでくわしくお伝えしています。
衣替えの前に進めておく順番
作業は、次の順番で進めます。
1.まず全部出します
引き出しやクローゼットから、同じ種類の服を全部出します。上に着る物、下に着る物と分けて広げます。
全部を一度に見ると、似た服が何枚もあることに気づけます。「1枚ずつ捨てるか考える」より、「この中から着る服を選ぶ」ほうが早く進みます。
2.迷う服は保留の箱に入れます
その場で決められない服は、保留の箱に入れます。無理に決めなくて大丈夫です。
保留の箱は、ひと季節おいてから開けます。その間に一度も思い出さない服は、これから着る予定のない服だと分かります。
3.部屋着への降格は、枚数を決めてから
「部屋着にするから残す」と決めた服は、枚数を先に決めます。部屋着は数が多くても着る回数が増えるわけではありません。
同じ考え方は食器にも当てはまります。何を残すかの決め方は、食器の減らし方、何を残す?欠けた食器・お客様用食器の手放し方にまとめています。
いただいた服・思い出のある服の扱い方
人からいただいた服は、着ていなくても手放しにくい物です。
贈り物は、受け取った時点で役目のほとんどを果たしています。気持ちはいただいて、着ない服は手放して構いません。
学生時代の制服や、お子さんの節目の服など、思い出そのものが残っている服もあります。着ないと分かっている服は、写真に残してから手放すと気持ちが整います。
どうしても残したい服は、「宝物」として枠を決めて残します。着る服と混ぜずに分けておくと、毎朝の選びやすさが変わります。
宝物として残す服は、箱に入れて別の場所に置きます。クローゼットの中に混ざっていると、着る服を選ぶたびに手が止まってしまいます。
これから着る服だけになると、朝の時間が変わります
着る服だけが残ったクローゼットは、選ぶ時間が短くなります。
私は厨房で、体を一度ひねって盛り付ける動作と、ひねらずに盛り付ける動作の差を見てきました。1回では0.1秒ほどの差ですが、毎日何百回と重なると大きな時間になります。
クローゼットも同じです。迷う服が並んでいると、毎朝そのぶんの時間と気持ちを使います。



朝の5分は、1年で30時間になります。
その時間を、着ない服のために使わなくて大丈夫です。
服が選びやすくなると、出かける支度が軽くなります。出かける回数が増えて、会う人が増えていく方もいらっしゃいます。
手放したあとに、また増やさないために
服を選び直したあと、しばらくすると元に戻ることがあります。戻る原因は、入ってくる量が決まっていないからです。
私がおすすめしているのは、ハンガーの本数を決める方法です。かける場所の数が上限になるので、増えたら気づけます。
1枚買ったら1枚出す、という決め方も分かりやすいです。買う楽しみを我慢するのではなく、入れ替えていく形にします。



片付けは、一度で終わる作業ではありません。
入る量と出る量が釣り合うと、散らかりにくくなります。
まとめ
50代で服が手放せないのは、意志が弱いからではありません。基準が過去を向いているからです。
ポイントは次の通りです。
- 「まだ着られるか」ではなく「これから着るか」で選ぶ
- これから出かけたい場面を先に3つ決める
- 必要な枚数は、ひと季節の予定から数える
- 迷う服は保留の箱に入れ、ひと季節おいて見直す
- ハンガーの本数を決めて、入る量と出る量を釣り合わせる
秋の衣替えの前に、引き出し1つ分から始めてみてください。
片付けが暮らしや気持ちまで変えていく流れは、50代からの片付けで人生が変わる理由。未来から選ぶ暮らしの整え方でお話ししています。
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